麻雀が強くなるために覚えることはいろいろありますが、初心者がまず覚えるべきなのは不要な牌を切る順番です。何が来たら何を切るか、その基本が固まっていて初めて麻雀が強くなるステップがスタートします。何を鳴くか、リーチをかけるべきか、相手の手を読むにはなどはその後の話になります。

麻雀には何切る問題というものがあり、初心者はこれを徹底的にやるべきだと私は思いますし、上級者に何をすれば良いかと聴くと多くの人が何切る問題をたくさん繰り返しやることを勧められます。何切る問題は書籍が色々と出版されているのでぜひ取り組んで欲しいのですが、これに出てくる問題はそれなりに手が煮詰まってからのケースなので、その前の段階については意外と説明されていないと思います。

初心者はその前の段階、極端な話、配牌後の最初に何を切るかの手順が固まっていません。配牌直後はいらなそうな牌がたくさんあるため、漠然と目についたものから切っているだけの人が多く、多少間違えても特に影響がないと考えがちです。しかし最初に切った牌が重なってしまったり、結果的に1面子切ることになったり、後でフリテンになったりということも多いはずです。こういったロスをゼロには出来ませんし、その必要も無いのですが、ロスを出来るだけ少なくするためにも序盤の切り手順はしっかり固めておくほうが良いです。

最初に何から切るべきなのか

最初に何から切るべきかは当然配牌によるわけですが、具体的な手牌の話をせずともまず一般的に言われているのは1枚しかないオタ風、つまり刻子になっても役にならない字牌から切ることです。あとは孤立した19牌、1枚しかない役牌、つまり刻子になると役になる場風牌、自風牌、三元牌も候補になると思います。

初心者にはこのあたりから気分次第で適当に切っている人が多いですし、気分次第でないにしても明確な根拠のない自分なりのルールで切っている人も多いと思いますが、あるべき正しい手順についてもう少ししっかり考えて理解しておきましょう。

字牌の切り順

私は以前、必ずオタ風から切っていました。理由は重なっても役にならないからです。場風、自風、三元牌は2枚になればポンして役が出来ます。どうせ切るにしても、その少しの間に重なればラッキーと考えて後回しで切っていたのです。しかしよく考えてみると、役牌が重なってもさほど嬉しくないことのほうが多いのです。

初心者のうちは役牌を1鳴きしてドラ1の2000点であがるなんてことをよくやるのですが、配牌が良ければこれですぐ上がれます。でもせっかくの良い配牌を2000点にしてはもったいないのです。逆に悪い配牌だと、ポンしたあと、鳴ける牌を次々鳴いて手配が短くなったところにリーチをかけられ、安全牌がなくて放銃なんてことになります。

役牌ポンの是非についてはまた別の機会に詳しく書くとして、配牌に1枚しかない役牌がすぐ重なることはめったにありません。逆に捨てずにもっていたことで、他の人が重なってしまう、ましてやその人がホンイツだったりしたら面倒なことになります。

そこでむしろ役牌を先に切ってしまうのが良いと思います。鳴かれたくない牌を他家が重ねないうちに1順でも早く切ってしまうのです。鳴かれたくない役牌の第1位は間違いなくダブ東です。東場で自分が親でないときに東を1枚持っていたら、第1打から切っていきましょう。乱暴に感じるかもしれませんが、それが確率的に一番鳴かれにくく、鳴かれる可能性はたった2%程度だそうです。

まとめると、字牌の切り順は、最優先がダブ東、次はダブ南、その次が白発中の三元牌、場風牌、その次にオタ風、最後に自風牌となります。

オタ風を捨てるなら下家に近い方から切れ

オタ風を切る場合、自分が東場の親として、配牌に南西北が1枚ずつあった。どれから切るのが良いのでしょうか。どれでも大差ないと言い切ってしまう人もいますが、どれでもいいという答えはここでは一旦なしにして突き詰めて考えてみましょう。

先程の字牌の切り順の考え方をそのまま適用すると、鳴かれたくない牌から切るべきとなります。それは下家の風を優先に切るというものだ。字牌は順目が進めば進むほど鳴かれやすくなる。配牌で1枚しかなくてもツモが進めば重なるからだ。もし下家が役牌をポンしてあがり役を確定してしまうとその後も鳴きやすくなり、自分は捨て牌を絞るなどの対応を求められて自由な進行がしにくくなる上、さらに下家が他家からポンすると自分のツモ番が飛ばされてしまう。なので下家が自風牌(こちらにとってはオタ風)を重ねないうちに捨ててしまえというわけだ。逆に上家は最後で良い。鳴かれても再び自分のツモ番となる上、他家はツモ番を飛ばされることになるので自分の方が手が早く進む可能性が高くなる。

あえてオタ風から切らないケース

オタ風から切らないケースももちろんある。まずは混一色が期待できる場合だ。この場合は使わない色の孤立牌から切ることが多いだろう。次に、チャンタが期待出来る場合は孤立している④〜⑥の数牌から切ることもある。さらに七対子が期待出来る場合もオタ風は良い待ちになるので残すことが多い。七対子の場合は字牌だけでなく①②⑧⑨牌もまた良い待ちになるので孤立した③〜⑦の数牌から切ることもある。また、配牌が明らかに平和手でかつ雀頭が無い場合はオタ風は雀頭候補なのでオタ風以外の字牌(役牌)から切っていくべきだ。

タ風を持っていないケース

もし配牌でオタ風が無い場合は何から切るべきだろうか。場風牌、自風牌、三元牌、①⑨牌が候補に上がるが、この場合は配牌をよく見て、もし役牌が重なったら嬉しいか考えてみよう。役牌が対子で嬉しくないケースというのはあまりなさそうだが、順子やリャンメンが多い平和になりそうな手の場合は役牌が重なって欲しくないかもしれない。しかし対子で持っている字牌というのは後々安牌にもなりやすいし、もちろん鳴いて役を作ることも出来るので無い方が良いということはないだろう。なので一般的には役牌よりも不要な①⑨牌を先に切ることになる。

孤立した①⑨牌の切り順

孤立した①⑨牌が複数ある時、これにも切り順がある。
そもそも何故①⑨牌はいらない牌ということになりやすいのか。持っているとタンヤオにならないから?確かにタンヤオは重要な役だが、それだけで①⑨牌を嫌っているわけではない。麻雀では刻子よりも順子のほうが出来やすい。数牌の⑤は③④⑤、④⑤⑥、⑤⑥⑦の3種類の順子で使えるが、数牌の①は①②③でしか使えない。さらに孤立した⑤は次に④か⑥を引くとリャンメン形になり、③か⑦ならカンチャン形になる。しかし孤立した①は②か③でしか面子候補にならず、しかもいずれもペンチャンとカンチャンになってしまい、リャンメン形にならないのだ。くっつきにくい上に、どうくっついても不恰好な形にしかならないのである。

それでも面子が足りないのであれば刻子にしかならない字牌よりは①⑨牌のほうがまだ使いやすいので失敗は避けたい。そこで6種類ある①⑨牌をどれから切るべきか考えておこう。

まずは①②③または⑦⑧⑨の三色の目が無いか検討しよう。⑦⑧⑨ピンがあり、⑦⑧マンを持っているなら⑨ソーは残しておいたほうがいい。三色目に気づかずに不用意に①⑨牌を捨ててしまい、あとで後悔したことはみなさんもあると思う。

次は①④と持っている場合は①は切ってしまっても良い。②や③を引いても④にくっついて使えるのでロスになりにくいからだ。これは⑨の場合も同様である。

三色と無関係なら、④⑥牌を持っている①⑨牌から切れ

もうひとつ、①⑨牌を順子としてではなく対子(雀頭や七対子など)にしたい場合に知っておくと良いことがある。既に他家が捨てている①⑨牌は重なりにくい、ということだ。自分が持っている牌が対子になるかは、まだ捨てられていないなら残り3枚、既に1枚捨てられているなら残り2枚なのだから、1枚捨てられただけで確率は3分の2になってしまっている。捨てられていないのだからむしろ誰かが手に持っているかもしれない、という考え方もあるが、どっちにせよ分からないのだから確率的には同じことである。

孤立牌を重ねられる確率は、1枚切られた時点で3分の2になる

インターネットなどでプロの対局を見ると、上記とは違う手順、字牌を残して数牌から切っていることに気がつくと思う。ここで説明した手順はあくまで確率的に有利となる手順であり、自分の手の状態や他者への安全度などをあまり考慮していない。字牌というのは数牌に比べれば使いにくい牌であり、同時に他者に安全となりやすい牌でもあるため、効率優先か安全優先かで切るか残すかの判断になる。

プロはこのバランスを考えて最初に何から切るかを決めているのだが、それと同じことは手作りや読みの技術が足りない初心者には真似ることが難しい。見よう見まねだけで字牌を残して打ってしまうと、おそらくなかなかテンパイしない、上がれない状態になってしまうだろう。

初心者同士の対局はプロ同士の対局と違い、テンパイが遅くなりやすいので、安全度よりも効率重視で先にテンパイするほうが圧倒的に強い。まずは効率重視の基本を完全にマスターすることが大切で、それが理解出来たことではじめて他者の手を読むということが出来るようになる。